Google Workspace Business には3つのプランがあります。その中で Business Plus は1番高いプランなので、下位プランより何が優れているのか気になっている人は多いです。
しかし Business Plus に特化して書かれた記事は少ないため、結局何が優れているのか分からないことがあります。
僕はGoogle Workspace の導入支援をしているので、Business Plus と下位プランの違いについてお客様に案内しています。
この記事ではその経験を基に、Business Plus でできることやどんな企業にオススメかを紹介します。
この記事を読めば Business Plus の基本的な機能と、自社に適しているかどうかが分かります。
Google Workspace の Business Plus について知りたい人は、ぜひ最後まで読んでください。
Business Plus は Google Workspace Buisiness の最上位プラン
Business Plus は¥2040/IDで5TB/IDの大容量を使える、Google Workspace Buisiness の最上位プランです。
Gmail や Google ドライブ などの基本的なアプリはもちろん、下位プランで使える機能は全て使えます。
下位プランとの1番の違いはセキュリティ機能が充実していることで、データ保護アプリのGoogle Vault が使えたり、承認されたデバイス以外はアカウントにログインできなくさせる詳細なエンドポイント管理が使えたりします。
Google Workspace Business の比較表は以下の通りです。
機能 | Business Starter | Business Standard | Business Plus |
---|---|---|---|
月額料金 | ¥680/人 | ¥1,360/人 | ¥2,040/人 |
ストレージ容量 | 30GB/人 | 2TB/人 組織で共有可能 | 5TB/人 組織で共有可能 |
Gmail | 〇 | 〇 | 〇 |
ドライブ | △ 共有ドライブ利用不可 | 〇 | 〇 |
Meet | △ 録画不可 | 〇 | 〇 |
カレンダー | 〇 | 〇 | 〇 |
Chat | 〇 | 〇 | 〇 |
スプレッドシート | 〇 | 〇 | 〇 |
ドキュメント | 〇 | 〇 | 〇 |
スライド | 〇 | 〇 | 〇 |
Cloud Search | × | 〇 | 〇 |
Vault | × | × | 〇 |
ログ監視 | △ ドライブのログ監視不可 | 〇 | 〇 |
エンドポイント管理 | △ 詳細な管理は不可 | △ 詳細な管理は不可 | 〇 |
以下の記事では各プランの違いを解説しています。
Business Plus のメリット
5TB/IDの大容量ストレージ
5TB/IDの大容量ストレージを利用できます。この容量は組織で共用できるので、例えば10ID契約すると組織全体で50TBを利用できます。
必要であれば利用できるストレージ容量の上限を設定できるので、特定の誰かがストレージ容量を使いすぎてしまうのを防げます。
下位プランの機能は全て使える
Gmail や Google ドライブ、Google カレンダー などの基本的なアプリや、共有ドライブやGoogle ドライブ のログ検索など、下位プランで使えたアプリや機能は全て使えます。
また Google Meet の参加人数上限が多かったり、Google カレンダー で時間の分析情報が利用できたりと、下位プランよりアプリの機能が充実しています。
時間の分析情報は誰がどんな予定にどれくらいの時間を費やしたかを Google カレンダー から確認できる機能です。無駄な時間を可視化できるので非常に便利です。
管理コンソールが使える
管理コンソールが使えるので、組織のアカウント管理やアプリの権限設定を一括で行えます。
アカウントの不正利用時にアカウントを停止したり、利用端末にパスワードを必須にしたりといったセキュリティ機能も使えます。
管理コンソールについては下記の記事で詳しく解説しています。
Google Vault が使える
組織で不祥事や情報漏洩が起こったときに備える、データ保護アプリの Google Vault を使えます。
Google Vault を活用することで、Google ドライブ や Gmail のデータをより安全に利用できます。
Google Vault に関しては、以下の記事を参考にしてください。
詳細なエンドポイント管理ができる
アカウントにログインできる端末を承認制にしたり、安全なパスコードの設定を必須にできる詳細なエンドポイント管理が利用できます。
Google Workspace はどんな端末からもログインできる自由さの反面、適切に管理しないと情報漏洩に繋がりかねません。
詳細なエンドポイント管理ではそのリスクを軽減できます。
Google Workspace の Business Plus であれば、端末管理のために他のサービスを契約する必要はありません。
Google Workspace のアップデート対象になりやすい
Google Workspace は日々多くのアップデートをされていますが、そのアップデート対象はBusiness Standard 以上が条件のことが多いです。
中には Business Plus以上が対象のアップデートもあるので、アップデートが多い Google Workspace のメリットを最大限に受けられます。
Business Plus のデメリット
基本的な Google アプリを使うだけなら料金が高い
Business Plus の料金が高いのはセキュリティ機能が充実しているからです。
Gmail や Google ドライブ などの基本的な Google アプリを使うだけなら下位プランでも十分なので、Google Vault や詳細なエンドポイント管理を利用しない場合は割高に感じる可能性があります。
Gmail や Google ドライブ は無料版 Google アカウントで利用している人もいるで、Google アプリの利用にお金をかけることに抵抗を感じる人は多いです。
Google Workspace の設定や運用の負担が大きい
Google Vault や詳細なエンドポイント管理は設定項目が多いので、管理者の負担が下位プランよりも大きくなります。
特にセキュリティに関する設定は間違えると会社にとって大きな損失に繋がりかねないので、管理者の責任も下位プランよりも大きいです。
Business Plus をオススメする企業
Google Vault を使いたい企業
組織内で万が一不祥事や情報漏洩が起こったときに備える Google Vault を利用したい企業には、Business Plus をオススメします。
Google Vaul tは Google Workspace のアプリの1つなので、導入や設定に関する負担を抑えながら非常時に備える仕組みを導入できます。
IT担当者が存在する企業
社内システムを管理しているIT担当者がいる企業には、セキュリティ機能の高いBusiness Plusをオススメします。
IT担当者が Google Workspace の設定や運用、セキュリティレベルの管理を行えるのであれば、Business Plus の機能を最大限に活用できます。
逆にIT担当者がいなかったり、誰かが本業とIT担当を兼業している場合は Google Workspace の運用や管理の負担が大きくなるので、下位プランをオススメします。
電子帳簿保存法に対応したい企業
Google Workspace は2022年8月にJIIMA認証(電子取引ソフト法的要件認証)を取得しました。
これにより、Google Workspace を利用した電子帳簿保存法に対応した仕組みづくりを行えるようになりました。
詳しくは、下記のGoogleブログに記載があります。
Google Cloud、 Google Workspace の JIIMA 認証取得を完了
僕が Google Workspace のサポートさせていただいているお客様でも、「電子帳簿保存法に対応できる仕組みづくりをしたい」という要望から Business Plus を導入していただくことが増えています。
Business Plus を導入して Google Workspace を最大限に活用しよう
以上で Business Plus で何ができるかとオススメ企業の紹介を終わります。
Business Plus は下位プランにはない Google Vault と詳細なエンドポイント管理が使えるという明確なメリットがあります。
これらを適切に設定、運用できれば Google Workspace をより安全に利用できます。
ぜひ Business Plus を導入して Google Workspace を最大限に活用してみてください。