誤送信による情報漏洩のニュースの中で、下記のような無料版 Gmail のドッペルゲンガードメインに関するものがあります。
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- 「gmail」ドメインを「gmai」と誤記、10カ月気付かず2000件超の情報漏えいか 埼玉大が「ドッペルゲンガー・ドメイン」の毒牙に(ITmedia)
こういったニュースによって、単純に Gmail のセキュリティが低いと勘違いされてしまうケースが多いです。
僕は仕事で Google Workspace の導入・運用支援をしているので、無料版 Gmail のどういった点が危ないか理解しています。
この記事ではそんな僕がドッペルゲンガードメインと無料版 Gmail の危険性について解説します。
この記事を読むと組織で無料版 Gmail を使う場合に気を付けるべき点が分かります。
ドッペルゲンガードメインと無料版 Gmail の危険性について知りたい人は、ぜひ最後まで読んでください。
※無料版 Gmail とは、無料版 Google アカウントで利用できる Gmail のことです。特徴として@gmail.comを利用します。
ドッペルゲンガードメインとは正しいドメインとそっくりなドメイン

ドッペルゲンガードメインとは正しいドメインとそっくりなドメインです。@gmail.comであれば@gmai.comのように1文字足りないもの、当ブログのドメイン@tomoyanoblog.comであれば@tomoyanoblog.netのようにトップレベルドメインが違うものがドッペルゲンガードメインになります。
これらのドッペルゲンガードメインは、本来入力したいドメイン名の入力ミスによる偽サイトへのアクセスやメールの誤送信を狙って取得されます。
先ほどのニュースではこの@gmail.comに送るべきメールを@gmai.comに誤送信したことによって、@gmai.comを取得している人に情報を垂れ流してしまっていました。
宛先間違いのメールは本来宛先不明でエラーメールが返ってきますが、ドッペルゲンガードメインが存在する場合は問題なく送信できてしまうので、送信者が宛先間違いに気づくことはありません。

ドッペルゲンガードメインの対策は仕事で有名ドメインを使わないこと
ドッペルゲンガードメインの1番の対策方法は、仕事では@gmail.comなどの有名なドメインを利用しないことです。ドッペルゲンガードメインはドメインの誤入力を狙って取得されるものなので、Gmailに限らず有名なドメインは全てドッペルゲンガードメインによる情報漏洩の危険性があります。
もちろん独自ドメインなら100%安全という訳ではありませんが、仕事で使うなら独自ドメインを利用しましょう。
無料版 Gmail は組織での利用に適してない

これまで解説した通り、ドッペルゲンガードメインは入力ミスが原因の情報漏洩です。決して Gmail のセキュリティが低い訳ではありません。
Gmail には最先端のフィッシング対策機能や迷惑メールのブロック機能がありますし、情報保護モードでパスワード付きのメールを送るなど誤送信の対策もできます。
しかし、それでも組織で無料版 Gmail を利用するのはオススメできません。
ドッペルゲンガードメインの危険性がある
無料版 Gmail は先ほど解説したように、既にドッペルゲンガードメインが存在します。もしも自分のアドレスを@gmai.comと誤入力されてしまった場合、自分の個人情報が流出する危険性があります。
アカウントの管理ができない
無料版 Gmail は個人利用前提なので、Google Workspace のようにアカウントを管理できません。組織で利用するメールサービスのアカウントを管理できないのは、セキュリティ面でよくありません。
また無料版 Gmail では送受信履歴などのログを確認することもできません。
Gmail の設定を制限できない
無料版 Gmail の設定は個人で行ないます。送受信先を制限したり特定のファイルを送信させなくさせるなど、セキュリティ面は個人に任せるしかありません。Google Workspace ではこれらを組織で一括設定できます。

Google Workspace では Gmail のセキュリティに関する設定項目も豊富です。特に送受信できるドメインや添付ファイルの制限のように、人的ミスによる情報漏洩を防ぐ設定を組織全体に適用できるのが便利です。
組織で Gmail を使うなら Google Workspace を導入しよう

以上でドッペルゲンガードメインと組織で無料版 Gmail を使う危険性の解説を終わります。
無料版 Gmail は費用がかからない反面、ドッペルゲンガードメインによる情報漏洩や Gmail の設定を制限できなかったりと危険性もあります。
また@gmail.comを使う無料版 Google アカウントでは組織内でアカウント管理もできないので、そもそも組織での利用に適していません。
これらを防ぐために、組織で Gmail を使うなら独自ドメインを取得して Google Workspace を利用してください。
参考記事:【Google Workspace とは?】料金や無料版との違いをプロフェッショナル資格保有者が解説!
僕が在籍している吉積情報株式会社を通して、Google Workspace の導入や運用のお手伝いをさせていただくことも可能です。「Google Workspace の導入をしたい」「今よりもっと Google Workspace を活用したい」など、以下フォームからお気軽に Web 相談予約をしていただけたらと思います。
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