- Google Workspace の共有ドライブって何ができるの?
- マイドライブや共有アイテムと何が違うの?
- 共有ドライブを使うメリットはなに?
Google Workspace の共有ドライブは名前からは何ができるのか分かりにくく、うまく使いこなせていない人がいます。
僕はGoogle Workspace の導入支援をしていますが、共有ドライブで何ができるのか問い合わせをいただくことがたくさんあります。
その経験をもとに、この記事では共有ドライブとは何かを丁寧に解説します。
この記事を読むと共有ドライブでできること、マイドライブと共有アイテムの違いが分かります。
共有ドライブについて知りたい人はぜひ最後まで読んでください。
共有ドライブは組織で管理するドライブ
共有ドライブは組織で管理するドライブです。Google Workspace のBusiness プランでは Business Standard と Busines Plus で利用でき、無料版 Google アカウントでは利用できません。
共有ドライブでは誰が共有ドライブを作成できるか、誰がその共有ドライブにアクセスできるかを管理コンソールから設定することができます。つまり共有ドライブ内のデータは個人管理ではなく組織管理になります。
また自分がアクセスできる共有ドライブがあると、マイドライブの下に共有ドライブが表示されます。
共有ドライブの権限一覧
共有ドライブに付与できる権限の一覧は以下のとおりです。
権限 | 管理者 | コンテンツ管理者 | 投稿者 | 閲覧者 (コメント可) | 閲覧者 |
---|---|---|---|---|---|
ファイルやフォルダを閲覧する | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
ファイルにコメントする | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | |
ファイルを編集する | 〇 | 〇 | 〇 | ||
ファイルを作成、追加する、フォルダを作成する | 〇 | 〇 | 〇 | ||
特定のファイルにユーザーやグループを追加または削除する | 〇 | 〇 | 〇 | ||
ゴミ箱からファイルを復元する(30 日以内) | 〇 | 〇 | 〇 | ||
ファイルをマイドライブから共有ドライブに移動する | 〇 | 〇 | 〇 | ||
ファイルやフォルダをゴミ箱に移動する | 〇 | 〇 | |||
共有ドライブ内でファイルやフォルダを移動する | 〇 | 〇 | |||
共有ドライブ内の特定のフォルダに、 ユーザーやグループを追加または削除する | 〇 | ||||
共有ドライブのファイルを別の共有ドライブに移動する | 〇 | ||||
共有ドライブのメンバーを追加または削除する | 〇 | ||||
メンバーのアクセスレベルを変更する | 〇 | ||||
ゴミ箱のファイルを完全に削除する | 〇 | ||||
共有ドライブを削除する | 〇 |
共有ドライブには管理者、コンテンツ管理者、投稿者、閲覧者(コメント可)、閲覧者の5種類の権限があります。この権限を各共有ドライブのメンバーに付与することで、ドライブごとに適切な権限を設定できます。
この権限設定はその共有ドライブ内の全てのフォルダ、ファイルにも適用されるので、共有ドライブ内でファイルの移動や削除があっても権限設定を変える必要がありません。
また共有ドライブの特定のファイルにだけ共有ドライブのメンバー以外の人に閲覧者権限を設定するなど、細かい権限設定も可能です。
※ただし共有ドライブのメンバーに対して、共有ドライブのデータに共有ドライブに設定した権限よりも弱い権限を設定することはできません。例えば共有ドライブに投稿者権限を設定しているメンバーに、共有ドライブの特定のファイルに閲覧者権限は設定できません。
共有ドライブの運用前に、どんな共有ドライブが必要で誰にどんな権限が必要かを念入りに考える必要があります。
共有ドライブの設定一覧
共有ドライブには権限設定以外に、下記の3つの設定ができます。
ドメイン 外のユーザーにファイルへのアクセスを許可する
この設定によって、共有ドライブを社外の人と共有できるようになります。共有ドライブで社外の人とデータのやり取りをする場合は、この項目をオンにする必要があります。
逆に社外の人と共有させたくない場合は、この項目はオフにします。
共有ドライブのメンバー以外のユーザーにファイルへのアクセスを許可する
この設定によって、共有ドライブのメンバー以外に共有ドライブのデータに権限を設定できます。共有ドライブの特定のファイルに対してメンバー以外に権限を付与したい場合はこの項目をオンにする必要があります。
逆に共有ドライブのメンバー以外にデータを共有させたくない場合は、この項目はオフにします。
閲覧者およびコメント可の閲覧者にファイルのダウンロード、印刷、コピーを許可する
この設定によって、閲覧者権限を付与している人にデータのダウンロードやコピーを許可できます。閲覧者に共有ドライブ内のデータを活用して欲しい場合は、この項目をオンにする必要があります。
逆に共有ドライブのデータを活用させたくない場合は、この項目はオフにします。
この3つの項目は共有ドライブの運用で見落としがちな設定です。見落とすと思わぬ情報漏洩に繋がるので、共有ドライブを作成したら忘れずに確認しましょう。
共有ドライブとマイドライブ、共有アイテムの違い
Google ドライブ には共有ドライブ以外に、マイドライブと共有アイテムがあります。
マイドライブは個人で管理するドライブ
データの管理を個人がするか組織がするかが共有ドライブとマイドライブの違いです。
マイドライブで作成したデータやアップロードされた画像は、そのマイドライブの所有者が管理者になります。マイドライブにあるデータの編集や共有、削除はその管理者が自由に行なえます。
対して共有ドライブは組織の管理者が権限を設定するため、例え自分が作成したデータであっても共有ドライブ内では自由に編集や削除はできません。
共有アイテムは自分と共有されているデータを確認できる
共有ドライブはデータを組織で管理する場所ですが、共有アイテムは自分と共有されているデータの確認をする場所です。名前は似ていますが、用途が全く違います。
共有アイテムでは自分と共有されているデータを共有日、更新日、ファイル名順で確認できます。もし共有アイテムに表示したくないデータがあれば削除もできます。
共有ドライブとマイドライブ、共有ドライブと共有アイテムは名前が似てるのでよく混乱されます。共有ドライブは組織で管理するドライブ、マイドライブは個人で管理するドライブ、共有アイテムは自分と共有されているデータを確認する場所と覚えましょう。
共有ドライブを使うメリット
共有ドライブで組織のデータを管理することで、下記のメリットがあります。
組織内のデータをひとまとめに管理できる
組織で利用するデータは共有ドライブに保存する運用をすることで、組織内のデータを共有ドライブでまとめて管理できます。
部署ごとやチームごとにデータを管理できる
部署やチームごとに共有ドライブを作成することで、それぞれのデータの権限設定や保存場所を統一できます。このおかげでチーム内でのデータの共有がスムーズになります。
また自分に関係のあるデータがどこにあるかも分かりやすくなるので、チームメンバーのデータを探す時間の削減にも繋がります。
僕の経験上、全社共有用と各部署用の共有ドライブを作成することが多いです。
退職時や異動時による権限変更が不要
共有ドライブに保存された全てのデータには共有ドライブの権限設定が適用されるので、メンバーの退職や異動時にファイルごとに権限変更する必要がありません。
もしマイドライブだと退職などがあるたびにデータの権限変更が必要なので、組織で利用するデータは共有ドライブに保存しましょう。
組織外とのデータの共有を管理できる
社外共有可能な共有ドライブを作成することで、社外とデータを共有する場所を用意できます。またマイドライブの社外共有をオフにすることで、不用意に組織のデータが社外と共有されることを防げます。
共有ドライブを活用して組織内のデータを適切に管理しよう
以上で共有ドライブでできること、マイドライブや共有アイテムの比較を終わります。名前が似ていて違いが分かりにくい共有ドライブですが、できることや用途が全く違います。
- 共有ドライブは組織で管理するドライブ
- マイドライブは個人で管理するドライブ
- 共有アイテムは自分と共有されているデータの確認場所
この3点を覚えるだけで比較は十分です。
組織で利用するデータは共有ドライブで管理すると権限設定やデータ共有が非常に簡単になります。
ぜひ共有ドライブを活用して組織内のデータを適切に管理してください。